●● 歯周病検査の数値の意味するもの ●●
数値の意味をもう一度考えてみよう
当院で歯周病管理されている方は、幾度となくこの数字の画面をご覧のことと思います。
(実際にはこの周りもあるのですが、分かりやすいように数字部分だけをピックアップしました)
歯周病の検査にもいろいろありますが、今日はその一つを」ピックアップします。
この数値表は1番基本的なもので、歯周病の検査時に歯科衛生士が歯の周りをこちょこちょして時々モニターに記入しているアレです。歯の周りの歯周ポケットと呼ばれる溝の深さを測定しています。
この溝の深さの数値と、この検査時のポケットからの出血があるかどうか、これが診断基準の大きな意味を示します。
歯の周りの溝の深さは 一般的に 4mm未満 が健康な値の限界値です。
そして 数値の周りに⭕️で囲ってあるのは出血があったことを示します。
数値は大きくなればなるほど歯周病が進行して歯の周りの歯周組織が破壊されたことを示します。
出血のマークには大きな意味がある
さて、数字の周りの⭕️ですが、実はこれが大きな意味を示します。
出血には大きな意味があります。つまり、歯周病の炎症が現在進行形で活発化しているということです。深さの数値は結果であり、⭕️の出血サインはこの先の更なる歯周病症状の悪化を意味します。
例えば 6mm で出血がなければ、ポケットは深いものの比較的安定していることを意味し、メンテナンスを行うことにより数値の減少が期待できます。
しかし、 4mm で出血の⭕️が付いていると、炎症は進行中でこのまま放っておくと6ヶ月後、1年後には5mmになったり6mmになる可能性があります。
診療室で、今までの検査表をいくつも並べてみなさんにお見せするのは、この数値や出血のサインの推移を見て頂きたいからです。
変化を重視して評価する必要性
大切なのは治療を重ねていくごとに、この数値が減少して出血の⭕️が減ってきているかどうかです。この変化を私たち歯科医院側が把握しているだけではダメで、患者さんと情報を共有することが大切です。
そうして『良くなった。努力の結果がでた。』という事を患者さん自身に知って頂きたいのです。
私たちは多くの患者さんを診ておりますが、劇的に数値が変化する方が結構いらっしゃいます。そういう方々はご自身でも「口の中がさっぱりした」とか「出血がなくなった」とかハッキリとお口の不快症状が改善した事を自覚しておられます。